健康運動としての太極拳
太極拳は、運動としてはエネルギーの消費はそれほど高くなく。ゆったりとした運動の中で深い呼吸に合わせて
筋肉の緊張と緩和をゆっくりと繰返す運動です。あわせて精神も集中し、運動の中でもストレス解消に効果が大であります。
健康のためには適当な運動が必要といわれます、特に成人期以後運動量の少ない人は、高血圧、高脂血症、や肥満、糖尿病
循環器系病の発病危険因子が大きいといわれます。
太極拳は深い呼吸とともに、緊張を取り除き、ゆったりとした動作で一定のリズムで運動を持続していきます。
健康を維持して行く為に必要な有酸素運動としては最適なものです。
今回は、健康維持を目的とした簡単な動作の養生練功としての、八段錦を紹介します、
準備運動の スワイショウ です
@ 腰をひねって、でんでん太鼓タイプ(右図)
腰と膝を緩めて、デンデン太鼓のように腕をブラブラと上半身をひねる、ひねる時に息を吐き、
戻す時に吸う。慣れてきたら前にくる手で手と反対の肩を軽くたたく、同時に後ろの手で手と
反対側の腰(腎愈)を軽くたたくと一石二鳥の効果があります。
A 前後に手を振るタイプ
1.足を肩幅に開く。ひざをゆるめて立ち、目は半眼にします。リラックスして呼吸を整える。
2.背骨をまっすぐ、肛門をしめ、腕を左右同時に前後に、最初こきざみに前後に振る。
3.だんだん大きく振る。前はヘソの少し下の高さぐらいまで、後ろはふりこが帰ってくる感じ。
4.口はかるく開け、舌を上の前歯の後ろにつけて息を吸い、舌の前歯の後ろに付けて吐く。
5.肩の力はぬき、前にだすとき軽く放り投げる感じで出す。手首は柔らかく、力をいれない
6.手を前に出すとき軽くひざは曲げ、後ろに引くとき軽く伸ばす。
7.はじめは50回くらいから初め、なれてきたらだんだん回数を増やす。
8.毎日繰り返せば、肩こりもとれてくるでしょう
9.デンデン太鼓のスワイショウと合わせてやると、さらに効果的です
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八 段 錦(はちだんきん)
八段錦は、カラダを丈夫にする八つの運動です。中国で古くから伝わっている健康太極拳です。
順序は各流派で違うようです。年齢や体力に関係なく、どこでもすぐに出来、それでいて効果抜群の運動です。
一度に全部の段をしなくても、いくつか自分に向いた段をまず始めて見ましょう。
最初は見よう見まねで慣れてきたら徐々に「意識」「呼吸」「動作」を一体化・・・・
一 段 錦 |  | 胃腸を丈夫にして、お腹のぜい肉をとります。また肩こりにも効果があります |
足は肩幅に開き自然に立ちます。両手をお腹の前で手のひらを上にして組みます。
組んだ手はお腹からこぶし一つくらい離します。まず息を全部吐き切ります。
息を吸いながらゆっくりと手を上に持ち上げていき、肩の高さまで来たら、
手のひらを下に向け、息を吐きながらゆっくりと下を下ろしていきます。
下ろしたら手の力を緩め、持ち上げていきます。肩の高さに来たら手のひらを上に向けて
手のひらで天を支えます。息を吐きながら組んだ手をほどき、ゆっくりと両手を円を描いて下ろします。
手を下ろす時は、ボールを水に沈める感じで、上げる時はボールが浮いてくる感じで
重心は下半身において、腰と据えて立ちます。 この動きを2回繰り返します。
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二 段 錦 |  | 心肺機能の強化に役立ちます。特に心臓病の予防や治療にいいと言われてます。また足腰も鍛えられバストも美しく整います |
足は肩幅の2倍に開きます。足先は少し開いた方が楽です。まず息を吐ききります
息を吸いながら腕を軽く伸ばして手の甲を上に上げて行きます。
息をはきながら両手を下ろし、同時に後ろへ腰掛けるように腰を少し落とします。
息を吸いながら、両手で拳を作りながら肩の高さまで持ち上げます。(腰も少し上げ気味で)
拳の目(親指と人差し指で出来る円)が上を向くようにして下さい。
息を吐きながら左手でVサインをして、大きく左に広げる。視線はVサインの向こうを見る
同時に右手は弓を引くように大きく右に引きます。弓を引いて放つ姿勢をイメージして下さい
息を吸いながら、両手を目の前に戻す。息を吐きながら手を解きながら下ろす。
今度は同じ要領で、右手Vサインで行く。
必ず左右対称でやって下さい。終わったら足を肩幅に戻し自然に立ちます
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三 段 錦 |  | 胃や脾臓を強くします。胃や十二指腸の炎症や潰瘍に効果があります。イライラや不安を取り除きリフレッシュできます |
自然に立ちます。息を吐き切って整えます。
息を吸いながら手のひらを上にし両手を上げていきます。
肩の高さまで来たら、手のひらを下にして息を吐きながらゆっくりと下げていきます。
みぞおちまで下げたら、息を吸いながら左手は上に、右手はそのまましたへ下げます。
丁度天と地を分けるような感じで。左は天を支え、右は地と抑える。
息を吐きながら、右手はそのまま、左手をゆっくり横から円を描くように下ろします。
両手同時に下を向くようにおさめ、最初の姿勢に戻ります。
今度は同じように左右を逆にして行います。必ず左右セットで2回やりましょう。
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四 段 錦 |  | 内蔵を強くし、慢性病の予防に役立ちます、首と肩の筋肉を柔らかくほぐします。 |
自然に立って、息を吐き切って整えます。
息を吸いながら手のひらを上にして両手を上げていきます。
顔の前で手のひらを返して下に向け、息を吐きながら山を描くように手を下ろします。
その時、首はゆっくりと左へ回し、意識は右足の裏(土踏まず)にもっていきます
ゆっくりと息を吸いながら、手のひらを上に向け、顔の前まで戻し、首も正面に戻ります。
手のひらを下に向け、息を吐きながら山を描いて手を下ろします
今度は首は右に回し、意識は左足の裏に持っていきます。
左右セットで二回やりましょう。最後は顔を正面に向けたまま両手を下げ自然に立ちます
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五 段 錦 |  | ストレスを解消し、疲労を取ります。足腰を強くし、ヒップアップに効果あり |
自然立ちから、足を肩幅の二倍に開きます。息を吐ききります。
息を吸いながら、両手を前方に持ち上げ、吐きながら後ろに腰掛けるように腰を落とします。
息を吸いながら両手は、親指が外を向くように太ももに置き、正面を向きます。
息を吐きながら、肩から右を向き、上体を前に倒します。
尾てい骨を中心に、背骨を一本にして右から前を通って左へゆっくり回します。
この時、両手は軽く置いておくだけで、体重を支えません。
頭が左ひざの上に来たら、息を吸いながら首を回し右足の土踏まずを見ます
息を吐きながら、首を元に戻します。
息を吸いながら、逆に上半身を左から前を通って右ひざの上にもっていきます。
正面に向き直って、最初の姿勢に戻ります。再び大きく息を吸って今度は左ひざから始めます。
必ず左右セットでやること。姿勢がきついので無理せずゆっくりと。
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六 段 錦 |  | 腎臓と胃腸の働きを高めます。消化吸収を良くし、便秘を防ぎます。シェイプアップ効果もあり爽快になります。 |
自然立ちで、息を吐き切って整えます。
息を吸いながら、手のひらを下にして肩まで上げます。
息を吐きながらそのまま下ろします。少し後ろまで持っていく気持ち。
息を吸いながら、元に戻す勢いで手を頭上まで上げます。
左手を上に伸ばし、左かかとを踏みしめます。右も同じように伸び伸びと
両肘、わき腹、腰、手、体全体を伸ばします。交互に同じ回数。この時呼吸は楽にします。
腰を中心に上半身を右から左へ、3回まわします(両手は上げてはいるが、突っ張らない)
次に左から右へ3回。息を吸いながら、また左右交互に伸ばします。
息を吐きながら手を伸ばしたまま、腰を軸に上体を前に倒していきます。
膝も伸ばして、ゆっくりと吐く息に合わせておこないます。
届く人は両手でかかとを掴んで体を引っ張ります。
届かない人は何処でもいいので足を後ろから掴んで引っ張ります。
力を抜いて、手を離し、息を吸いながら上体をゆっくりと起こし最初の姿勢に戻ります。
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七 段 錦 |  | 血圧を下げます。気力の増進に役立ちます。強い骨格を作るのに役立ちます。 |
自然に立ち、肩幅の2倍くらいに足を開きます。息を吐き切ります
息を吸いながら、手を前に上げていきます(手の甲を上に、ゆっくりと)
息を吐きながら手を下ろして行きます。同時に後ろに座るように腰を落としていきます。
息をすいながら両手で拳を作り、肩の高さまで持ち上げます。拳の目は上にします。
息を吐きながら、左手は左前方へ、右手は右に引きます。
この時手は拳のままです。左手は拳を横にします。目は左手を睨むようにします。
息を吸いなら両手を胸の前にもどします。
息を吐きながら軽く腰を落とします(手はそのまま)
息を吸いながら両手の拳を頭上までもって行きます
頭上で拳を解き、息を吐きながら大きく横から円を描いて下ろします。最初の姿勢に戻ります
次は右手前で繰り返します。必ず左右対称にやって下さい。
ポイントは拳を強く握り、目を怒らせて気力を増大することです。でもリキミすぎはダメ
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八 段 錦 |  | 血行、疲労回復に効果があります。便秘と痔の予防効果 |
両足の間をこぶし一つぐらいで自然に立ちます。息を整えます。
息を吸いながら、手のひらを下向きのまま肩の前まで上げます。吐きながら下ろします。
息を吸いながら、肛門をしめ下腹をへこまして、両足のかかとを少し上げます。
この間息は吸い続けて下さい。気を丹田に集める意識をしましょう
息を吐きながらストンとかかとから軽く落とし、膝も軽く曲げます。
このときのかかとに伝わる振動がいいのです。
これをニ・三回繰り返します。
膝に手を置き、裏側を伸ばしてから、ゆっくりと深く曲げます。
膝を抱き、かかとをつけたまま、前後に体重を移して軽く揺すります。
足首を軽く叩いたりもんだりして、立ち上がり膝をもんで、ゆっくりと最初の姿勢に戻ります
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ふるさと内之浦